FUJIFILM 写ルンですで撮るポートレート

写ルンですで撮影した長崎のポートレート作例

 いまから4年前、2019年にフジフィルムの使い捨てカメラ「写ルンです」でポートレートを撮った。写ルンですは、焦点距離32mm、絞りF10、シャッタースピード1/140秒、ISO400という仕様のカメラで、自在に各数値を変えることができる現代のデジカメと比べたら究極の設定固定カメラである。

 夕方や夜、日中でも室内だったら内蔵フラッシュを使ったりして少し考えながら撮る必要はあるけれど、日中の屋外ならわりと自由に撮れる。曇りの日や日陰で撮るともっともキレイに撮れそうな設定になっている。普段ポートレートを撮るときはそのほとんどを絞り解放で撮っていたので、オールF10通しという撮影はとても新鮮だった。

 あくまで私見だけど、屋外ロケでのポートレートは絞って撮るほうが難しいように思う。背景の整理がしっかりできていないと、ガチャガチャした写真になる。この撮影の前までは、ポートレートはボケてナンボ!、F値は1.4以下!、みたいな偏った思想を持っていた。けれど、写ルンですで撮ってみて、わりとガチャガチャした写真も好きなことに気がついた。現在も開放で撮ってはいるけれど、少なくともF1.4以下にはこだわらなくなっている。F2でも十分だし、F2.8のズームレンズで撮ることさえある。背景によっては絞って撮るようにもなった。これらの変化は間違いなく、このとき写ルンですで撮影した経験が元になっている。こういう不便なカメラで撮る経験をすると、写真の見方が変わる。見方が変われば撮影も変わるのだ。

 写ルンですで撮ったポートレートはコチラ→ポートレート 2019 SESSION07 IN 長崎

関連記事