FUJIFILM KLASSE Sで撮るポートレート

KLASSEでポートレート

  フジフィルムのコンパクトフィルムカメラ、KLASSE Sでポートレート写真を撮ってみた。使ったフィルムは、KODAK GOLD200。2016年や2017年あたりは、デジタルと併用してPENTAX LXなどの一眼フィルムカメラで撮影していたのだけど、何年経ってもいい写真だなと思えるのは、その当時にフィルムで撮った写真だ。やっぱりフィルム写真はいい。

 逆光で撮ると、最新のデジタルと違って盛大にフレアやゴーストが出ることもあるが、このときはたまたま角度的に太陽を正面にしていなかったこともあって、太陽の光線がいい感じで出た。残念だが、意図して撮れたものではない。フィルムはデジタルと違って偶然いい写真が撮れることがある。けれど、すべてが偶然なのではなく、偶然が起こりそうな撮り方をすることはある。このときもそういう撮り方をした。

 デジタルと違って、一枚一枚、じっくり撮るのもフィルム写真がよくなる要因の一つかもしれない。デジタルで撮るときは、ポートレートの場合、1時間の撮影で最低でも500枚は撮る。多いときは1,000枚になるときもある。フィルムだと、1時間で36枚撮りを2~3本しか撮らない。最大でも100枚程度というところだ。最近はフィルムがとても高価なので、パシャパシャと景気よく撮れない。まさに一射入魂。魂を込めてシャッターを切る、というのはちょっと大袈裟だけど、ともかくデジタルよりは一枚一枚の気合いの入れ方が違う。

 過去に2回だけ「写ルンです」でポートレートを撮ったことがあったけれど、それ以外のコンパクトフィルムカメラでポートレートを撮ったのはこれが初めて。これまで、PENTAX LXやCONTAX Aria、Canon EOS1Vなどでフィルム写真を撮った。個人的には、LXにPENTAX FA31mmF1.8Limitedレンズを付けて撮った写真がいちばん好きだった。ポートレートをフィルムで撮らなくなってからは一眼レフである必要がなくなったので、カメラをKLASSEに変えた。35mmあたりのレンズが付いたコンパクトカメラが欲しくて探したのだが、CONTAX T2やT3は中古の市場価格が高騰していて使用頻度(それほど使わない)に対して高価すぎた。KLASSE SはCONTAXよりお手頃でしかも38mmレンズだから、広角すぎず、ポートレートやスナップ撮影にも向いていると思った。

 PENTAXが今取り組んでいるフィルムカメラプロジェクトはちょっと気になっているが、フィルムの供給が改善されない限り、また別のフィルムカメラを買うことはもうないかもなとも思う。いまはあと少しだけ残っているフィルムを使ってKLASSE Sで日常のスナップをちびちび撮って楽しんでいる。

 KLASSE Sで撮ったポートレートはコチラ→「ポートレート 2022 SESSION.07 IN 長崎」

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